2009年9月11日金曜日

イラスト「超ひも理論」 を読んだ。

イラスト「超ひも」理論-図解でいっきにわかる!宇宙論の最先端(2002.9)発行を読みました。

すべてのものの基本が「ひも」から出来ているといった「超ひも理論」は、量子論や宇宙論に関わっているし、昨年関連する内容で日本人がノーベル賞をもらったこともあって、以前にも簡単な入門書を読んだり、雑誌やドキュメンタリー番組などで取り上げられたのを見聞きしたこともあったものの、改めてどんなものだったかと思いながらも調べることなくそのままになっていました。先日、何か本でも借りようと思って図書館にいって、ひも理論のことを思い出してもう少し中身を知りたいと思い、関連の入門書などをいくつか借りることにしました。この本は借りてきた本のなかでも超入門といった感じの本です。

この本の構成は、
見開きで1トピックになっていて、どの見開きもページの半分以上はイラストでイメージが表現されていて、下1/3くらいに文章で超ひも理論やそれに関係する話題について説明(紹介)されています。

入門書とはいえ、内容は非常に多岐にわたっていて、
超ひも理論の誕生まで、素粒子論、宇宙論、超ひも理論で宇宙の謎を読み解く、といった4つPartにわかれています。
最初のPartは、超ひも理論とはどんな感じのものかが説明され、
超ひも理論にいたるまでに発見された量子力学が説明する物理学現象(光の波と粒、光電効果、不確定性原理、トンネル効果など)や相対性理論について、
次に、物質を構成する素粒子をつくるクォークやレプトン、バリオンや中間子、さらに、4つの力の概略や、ゲージ粒子に、力の統一論を目指している、現在の標準理論モデルや、理論の状況について、
Part3では、宇宙論として、宇宙の構造や星の一生、定常宇宙論やビッグバン理論、平坦性問題やインフレーション理論を、
最後のPart4では、ダークマターやダークエネルギー、現在膨張が加速しているという第2のインフレーションや無限の宇宙生成、26次元のひも理論に超対称性を取り入れた10次元の超ひも理論やコンパクト化された次元、超ひも理論を用いた宇宙創生期やブラックホール蒸発時の様子、さらに高次元の膜を用いて超ひも理論を統合するM理論まで、

といったように、量子論や宇宙論の主要なトピックが網羅されています。

数式はなくイラストを用いて説明されているので、素粒子とか宇宙とかに興味はあるけど、数学は苦手だし、難しい話は良くわからないといって敬遠してしまいそうな人にも、読み物として楽しめるのではないかと思います。

ただ、トピックスを集めているだけという感じになってしまうのも仕方ないところだとは思いますが、個人的な感想としては、超ひも理論から考える宇宙の始まりやM理論など知らないトピックスもありましたが、これまでに読んだ宇宙論の本などで聞きかじったことを改めて確認したものの、知らないトピックスはそういうものがあるというのわかっただけという感じです。

とはいえ、
この本は、なぜそうなるのか、とか、どのように理論的に導かれ証明されたかということは置いといて、物質や宇宙の成り立ちに関連して、どんなことになっているか、どんな不思議な点があり、物理学者の間でどのように考えられているかといった、キーワードや様々なトピックを知るにはいい本だと思います。

出版社が宝島社で、いろんな分野をざっと捉えるような本や雑誌などを多数出している宝島社らしい本とも思いました。

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