2010年7月9日金曜日

きみのためのバラ

池澤夏樹著、きみのためのバラ(2007.4発行)を読みました。

内容は「新潮」や「考える人」などに初出された短編8作を集録したもので、タイトルと同じ短編が最後に置かれています。

誰にも程度の差はあれ、つらいことや嫌なことがあったり、逆に良いことや奇蹟のような素晴らしいことがあったりするし、ちょっとしたことが嬉しかったり悲しかったりする。
そんな、ちょっとしたことから重いことまで、いろんなことにあった人たちの心情を垣間見るような感じがしました。

人と人は言葉を交わしても相手のことを考えなければ本当の会話にならないし、相手を思っても気持ちが伝わらなかったり、相手のことを理解できないこともあるし、逆にうまく言葉で表現しなくても痛いほど気持ちが伝わったりします。そういった会話というか気持ちのやり取りが感じられる作品だとも思いました。

0 件のコメント: