2009年1月17日土曜日

クオリア降臨 を読んだ。

茂木健一郎著、クオリア降臨(2005.11発行)を読んだ。

このところ、読書量が少ないので久しぶりになってしまったけど、引き続き興味のある脳関係ということで、数年前の発行だから中身はさらに古いけど、茂木健一郎氏が書いたものということで、読んでみた。

内容は雑誌、文學界での2004年4月号から1年半近く連載された「脳の中の文学」を順番や一部加筆修正して、まとめたものだそうです。

文学の味わいも無数の神経細胞の活動からなる脳内現象として、意識内にクオリアとして立ち上がるものといった概念が全体を通して感じられるものの、この本では、脳科学という観点はそれほど明確ではなく、有限な生のなかで無限を想起することや、愛情や体験、笑い、現代の文化状況、感情の衝突といった様々なことがらについて、芸術作品や漱石やドストエフスキーなどの文学、小林秀雄などの評論などを参照しながら、文学や芸術を表現することや認識することに関する様々なエッセイといった感じだった。

言葉や色などの共通認識も互いに同じように思っているだろうという前提のうえで、解釈や批評が行われるけど、そもそもクオリアは私秘的で一致しているとは限らないし、芸術のような立ち上がるクオリアの1回性に関する話は、そのように思うし興味深かったものの、前提としている文学や芸術的知識が足りないこともあって、言っていることが理解できない部分が多々あった。
そのため、読み終えたときになんとなく、いろいろな考えに対する新たな観点を得られたような気がしたものの、こういう考えもあるのかとかといった具体的な印象が残らなかった。
私の文章の理解力の足りなさによるところだろうが、、、

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