2009年4月19日日曜日

平泉~みちのくの浄土~展を観てきました。

世田谷美術館で今日(4/19)まで開催の特別展「平泉~みちのくの浄土~」を観てきました。

中尊寺金色堂西北檀の仏像十一体が堂内の配置のままに公開されるのと、みちのくを代表する仏像が展示されるということなので、見ておきたいと思い観に行ってきました。

入り口を入ると、平泉が全盛の頃の建物の配置などがわかる古図や中尊寺建立の願文などがあってその先の部屋に金色堂の仏像たちが置かれ、隣の部屋には、中尊寺の大日如来坐像や、岩手の天台寺のご本尊である聖観音菩薩立像や如来立像など、他にも東北のお寺から四天王などの仏像が展示されていました。
他に、毛越寺の阿弥陀如来坐像もあり、通常は常設展示の場所らしい、2Fの展示室では、入ってすぐのところに中尊寺大長寿院の騎師文殊菩薩半跏像と四眷属が置かれていました。
仏像以外には、藤原氏が築き上げた仏教文化の特に浄土思想に関連する当麻曼荼羅図や阿弥陀浄土図などの展示、金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図や金銅迦陵頻伽文華鬘をはじめとする中尊寺の宝物や、藤原清衡の発願により書写された金銀字一切経といった平安時代後期を中心とした中尊寺ゆかりの宝物や毛越寺や達谷西光寺の宝物、平泉地域の遺跡からみつかった平安時代後期の出土品、桃山時代や江戸時代に描かれたみちのく平定に関わる絵巻や坂上田村麻呂や藤原三代画像、平泉諸寺参詣曼荼羅図、金色堂の柱などの復元模型といった、貴重な資料や宝物が多数展示されていました。
また、中尊寺や毛越寺などに伝わっている宝印や版をはじめ、江戸時代や現代まで引き継がれている行事などに使われる品々や衣装の展示もされていました。

展示数としては、宝物類が多く国宝・重文90点以上を含め200点を越えていて、遺跡や平泉の歴史などに興味があれば、かなり見ごたえがあるように思う。

目的としていた金色堂の仏像は、印象より小さめでしたが、照明の関係か思った以上に保存状態が良く、しかも落ち着いた色合いでした。チラシの写真では金色の色味が強い上、良く光っているところと暗いところのコントラストが強くいかにも歴史を経てきた仏像といった印象でしたが、実物を見ると最近になって複製したような感じがするくらい、金色の輝きは控えめでしかも表面が滑らかで驚きました。金色堂内に安置されているときは、あまり近くまで寄れまないと思いますが、今回はケースに入れられていましたが、それなりに近づくことができ、横から見たりじっくり鑑賞できました。
また、騎師文殊菩薩半跏像と四眷属も、金色堂の仏像以上に保存状態が良く、色もはっきりしていて、まるで最近作られたもののようでした。
他に、天台寺の仏像は比較的大きいことや、ノミの跡を残し独特の風合いを持ったものや、素朴な感じの仏像で印象に残りました。
宝物類や遺跡の出土品はあまり詳しくないため、博物館でいろいろなものを見るのと同じ程度には興味深く見ましたが、どういう点がすごいのかなどは良くわかりませんでしたが、鉄樹や金銅五鈷杵など毛越寺の所蔵するものや、仏像のレリーフのような御正体、金銅迦陵頻伽文華鬘などの金色堂堂内具などはあまり見たことのないもので印象深く、金字宝塔曼荼羅は紺地に金字で一切経が宝塔の形で描かれており、信仰の強さや信仰対象としての曼荼羅のありがたさを感じられ、金銀字一切経は展示数も多く、経を大量に金銀字で書写するといったその信仰心などが印象に残りました。
他には、金色堂の柱を再現したものや、須弥檀も復元模型でしたが螺鈿の装飾がされ見事でした。

金色堂の仏像を見るのが主目的でしたが、天台寺の仏像など、印象深い仏像に拝顔することができてよかったです。

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