2008年10月13日月曜日

スリランカ展と法隆寺宝物館

先日、東京国立博物館の表慶館で11/30日まで行われている、特別展「スリランカ−輝く島の美に出会う」を観に行ってきた。

東博では、この時期、平成館と表慶館で特別展を行っていて、平成館では大琳派展をやっていたけど、今回はスリランカ展と常設展だけをみてきた。

スリランカは「光輝く島」という意味を持つそうで、セレンディピティもスリランカの御伽話をもとに生まれたそう。(御伽話の内容は以前聞いた覚えがあるんだけど、どんな内容かは忘れてしまった)。2000年以上の歴史があって、一時期、ヒンズーが広まったものの、仏教色の濃い文化。
展示は、紀元前から後11世紀、11から16世紀、16から20世紀の3部構成になっていて、途中ヒンズーの影響で作られたシバやパールバーティ、ガネーシャの像なども展示されていた。
仏像や仏具以外にも、宝飾品や貨幣なども展示がされ、寺院の様子などが写真により紹介されていた。(スリランカ展のホームページにもう少し詳しく載ってます。)

仏像は、時代によって顔つきや衣の様子など様式の違いはあるものの、日本のものと比べると、太めの顔が特徴的だった。日本の飛鳥時代の仏像はわりと太めの顔だけど、スリランカの人は鼻が高いのか、太めな上に鼻や口がつきでた感じの顔立ちのものが多かった。
その顔立ちのせいか、日本の仏像はなんていうか、荘厳で癒される中にも厳しさがあるけど、スリランカの仏像は、もっと人間的で親しみやすく、やさしく癒される感じだと思った。
あと、象のようなガネーシャの乗物がネズミのようで、その組合せがなんか不思議に思った。

会場ではカレーや紅茶などのたべものから絵はがきやCDまで、スリランカ関連のグッズも販売していて、ヤシの花(だったと思う)のシロップという珍しいものも売っていた。

特別展を観た後、いつも時間がなかったり特別展などをみて疲れてしまったりで、観に行ったことのなかった、法隆寺宝物館によってきた。
こちらは常設展示で、1つの展示室は作品保護のため、期間限定で公開されるそうで、いったときはちょうど閉まっていたので見れなかったのが残念だったけど、観覧者が非常に少なくて落ち着いてみることができた。
特に数十体の仏像が設置されている部屋は、仏像自体は飛鳥時代の豪族が信仰していたものとされていて、すうじゅうcm程度の小さな菩薩像などが中心なんだけど、それらがケースに入って、1〜2m位の間隔で並んでいて、照明も作品保護のためだと思うけど暗めになっていて、なんともいえない、ちょっと不気味な感じもするくらい、荘厳というか不思議な空間となっていた。
特に監視の人がいるものの、ほとんど人がいないうえ、最近の建物で密閉性がよいからか、かすかに空調の音がきこえるものの、自分の耳鳴りでも聞こえてきそうなくらいの静けさで、無響室に入ったような感じだった。
入場者の少ない美術館やギャラリーも良くあるけど、大抵周囲の騒音がなにかしら入ってきて、ざわざわした音がするけど、ここは本当に静かで、ここまで静かなところに入ったのは、最近はなかったように思った。
仏像以外にも、染物や工芸品なども展示されていたけど、展示内容よりもその静けさが、なににもまして印象に残った。

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