2008年11月14日金曜日

池口史子展を観てきた。

松濤美術館で、11/24まで開かれている、「池口史子展 静寂の次」をみてきた。

芸大大学院時代の60年代の初期作品から最近の作品まで100点ほど展示され、画風の変遷などもみることができる展覧会となっていた。

初期の頃の作品は、暗い色調で荒々しいタッチの作品だったが、10年ほど経ったもの以降は、静かな風景や静物画が中心で、最初の頃は流れるような感じの描きかただったものが、輪郭の明確なものが多く、最近のものは、木々などのぼやけたような感じで、建物などは透視法に沿った明確なラインを持ち、画風が組み合わさった感じのものとなっていた。
人のいない風景が多く、そういう点では先日みたハンマースホイと同じように静かな作品が多いが、こちらは、同じ静けさといっても、人がいなくなった感じではなく、アメリカなどの地方のダウンタウンで、朝早い時間や雪の日など人が外を歩いていない瞬間といった感じで、同じ静けさといっても質はまったく違うものと思う。
独特な風景で、色調が、黄土色がかったような、あっさりしたというか乾いた感じの作品が多いが、寂寥感のなかにも暖かく見守る眼差しのようなものがある気がした。

この美術館はBunkamuraから少し先にいったところの、静かなところにあって、あまりメジャーな美術館でないこともあって、料金も300円と安く、ゆっくり絵を観賞できるよい美術館だと思う。

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