主人公が、公園で出会った介護福祉の経験のある女性に助けてもらいながら、痴呆症の父親と一緒に暮らしていく日々の話。
痴呆症の症状らしいが、そのときそのときで、父親の認識している状況がなんども繰り返したり、あるときは、子供の頃だったり、あるときは市役所で働いていたときだったり、いろんな状況の変化に、寄り添うように介護する様子などが描かれていて、痴呆症の症状の背後にある無意識だったりその人なりの考えの表出という見方をしないと、やりきれない様子が感じられ、痴呆症の介護のつらさも感じられた。
そもそも、今認識している自分は連続した自己認識のなかにあるけど、痴呆症になると、その連続性が失われたようになるのかとか、痴呆によってかえって表れる純粋さなんかについて考えさせられるお話だった。
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