2008年12月1日月曜日

セザンヌ主義 を観てきた

横浜美術館1/25まで行われている展覧会、「セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼賛」を観に行ってきた。

象徴主義やナビ派、フォーヴィズム、キュビズム、エコール・ド・パリの画家たちに影響が見られるセザンヌ。日本の洋画家にも大きな影響を与えている。
人物画、風景画、静物画などに分けて、影響をみてとれる画家たちの絵とセザンヌの絵を並べ、比較したり、セザンヌのいろいろな作品の特徴を見られる展覧会だった。

あまり、セザンヌの絵をまとめて見たことはなくて、
セザンヌというと、サント=ヴィクトワール山などの風景画や、りんごなどの果物や水差しがテーブルの上に載った静物画の印象が強く、乾いた感じの色彩で面的な配色で立体感を感じさせる風景画や、バランスよく配置された果物などが、淡い感じながらはっきりとした輪郭や色彩の静物画のイメージが強く、実際、水色っぽい色合いの中にアクセント的に赤みが買った色が使われているような、私の持つセザンヌのイメージと一致したものが多く展示されていた。一方、森や水浴の絵では、鮮やかな緑が使われていたり、印象派のような筆が細かく流れるように描かれている作品などもあって、少し新鮮な感じがした。

20世紀の画家として、いろいろな画家の作品と一緒に見ることはあっても、日本人の画家とセザンヌの絵を一緒に見た覚えはあまりなく、改めて見ると、安井曾太郎や有島生馬などの日本人画家とセザンヌの絵にとても似たものがあることがわかり興味深かった。

また、近代絵画の父とも呼ばれるだけあって、並置される作品は、シャガールやキスリング、モディリアーニ、ブラマンク、ピカソ、ブラック、ゴーギャンなどといった、20世紀の巨匠の作品であり、そのような影響がある作家の似た構図の作品を並べてみることで、似た点や相違が感じられて興味深く、比較することで、セザンヌの特徴が改めて明確になったような気がした。

これまで、セザンヌのどこが偉大なのかどうもよくわからなかったのだけど、セザンヌの特徴や、絵を書いていた頃の時代背景などをおもうと、その画風は、印象派の枠に留まらず、色彩や構図、面的配色や対象の幾何学的な構造の抽出などに、20世紀の様々な画風の萌芽が見られるように思え、そのあたりが偉大なのだろう思った。

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