2010年9月5日日曜日

英語多読法

古川昭夫 著英語多読法 (小学館101新書)を読みました。

英語力の向上のため、英語の読む量を増やすのが良いと思い、ブックガイドの説明をみながら簡単な本を用いた英語の多読を進めているのですが、もう少しで2ヶ月目といったところで、少しモチベーションが下がってきた感じもしている今日この頃。

英語多読ブックガイドの編著者が書いている、その名も英語多読法 (小学館101新書)
英語多読の実践方法や効果などが書かれているということなので、モチベーションの維持もかねて、読んでみました。

著者は、数学科出身のかたで、大学への数学(理系の大学を出た方などはご存知の方も多いかと)に連載記事をかいたり、受験生に英語や理数系科目を教えている方だそうです。英語学習の本は、いわゆる文系出身のかたのものが多く(思い込みかも?)、理系の方ということで少し親しみがわきました。
また、受験の英語での成績は良く、大学院を出た教師のような人でも、実際にはぜんぜん聞けないし話せない現実に対し、著者は、もっといい英語教育をできないかと思っていたときに、やさしい英語からはじめる英語多読法を知り、それを大学の授業で実践していた酒井さんを知り、その効果を自身でも試して研究会を設立し、多読の普及に努めているそうです。

内容は、著者の主宰する学習塾での結果を含め、英語多読法とはどういうものか、多読の効果、実践方法、多読に向いた書籍の紹介となっています。

中高生だけでなく、大人向けの多読クラブも開催していて、大人の場合の例も多少はありますが、中高生やそれより若い子供の場合の実例が多く、子供の英語教育法としてみるとかなり実践的な良い方法と感じられました。
私のような一度英語をそこそこ勉強した40代にはいった中年でも、効果はあるようですが・・・

多読を進めているからといって、むずかしめの文章を精読することを否定しているわけではありません。
また、実際の生徒を例に。読書量(読んだ語数)と英語力の関係を定式化までしてます。
これによると、精読は英語力の向上効果は確かに非常に高いけど、語数が増えないため簡単なものを多数読むほうが、実践しやすく向上しやすいということのようです。
つまり、精読が続けられるならそれでよく、むしろそのほうがいいけど、実際には続かないので、続けられるためにはストレスなく読める非常に易しいものを読んで、本を読む楽しみや達成感をあじわうことで、学習を続けることができて、結果として語学力の向上につながる、ということのようです。
また、簡単な英語に触れる機会が少なかった昔は精読の効果が高く、今は簡単な本も容易に手に入るようになったので、英語多読は学習法として良いということのようです。

私も今日までで45万語ほど読んだのですが、確かに30万語を超えたくらいから、読むのが少し楽になった感じはします。

ただ、簡単な本をいくら読んでも、難しい文章を読めるようになる感じはしないのと、多読で文法や単語を身につけるのは、難しいものほど遭遇頻度が極端に落ちてしまうので、論文のような学術的な文章や文学的な文章を読めるようになるには、やはり、モチベーションを高めつつ、難しいと感じるものも読まなくてはいけないのではないかと思いました。

企業などで英語力の基準に使われるようになってきているTOEICなどは、速度は要求されるものの、問題自体は受験英語やTOEFLなどと比べると比較的簡単な感じがするので、ともかく英語なれして、コミュニケーション(特に聞き取りや、簡単な文章を英語日本語変換を意識せずにさっと読める力)をつけるには良い方法だと思います。

結局、この本を読んでモチベーションが高まったかというと、ある面で効果が高く、実践する価値はあるものの、高度な文章もやはり苦労して読まなくてはいけなさそうなので、微妙な感じです。

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