2010年8月14日土曜日

脳科学者たちが読み解く脳のしくみを読みました。

シャノン・モフェット著(藤井智美 訳)脳科学者たちが読み解く脳のしくみ 3ポンドの謎(2009.12発行)を読みました。

ここのところ脳関係の本を読んでいなかったわけではないのですが、斜め読みで終えてしまったり、感想を記録するのが面倒だったりで書いてなかったので久しぶりのブログ記入です。

この本、タイトルからは、脳科学者による脳の働きや仕組みについて書かれた本のように思えますが(間違いというわけではないですが)、当時医学部の学生だった著者が、
神経外科医から、記憶、意識、夢や睡眠などの研究者や哲学者、複数人格者(解離性同一障害患者)、脳倫理学者、禅僧といった、さまざまな立場で脳と関わっている人とのインタビューに基づいて書かれた本で、脳の仕組みを知るための本というよりは、脳や意識、こころの不思議を捉える科学者たちの様子と、脳の仕組みや意識について最前線で、まだ明確になっていない様子がわかる本といった感じです。

神経外科医の日常や臨床現場や、脳診断などの倫理的側面の話はあまり見聞きしたことが無く目新しい話だと思いました。
その道の権威ともいえる研究者たちにインタビューしてその話をまとめるだけではなく、人となりやインタビュー時の様子なども含めて書かれているので、内容的にはわりと興味深かったです。
ただ、脳の仕組みを理解するうえで登場する症例や測定技術については、他で見聞きしたものが多くあまり得られるものは多くないと思いました。
はっきり決まっていない先端的な内容を一般向けに書こうとしていることもあって、脳の仕組みや意識とはなにかなどに対する研究者の見方が提示されるものの、結局、どうなっているの?といった感じの漠然とした疑問が残りました。

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