2008年7月9日水曜日

横浜美術館の展覧会

(別サイトと同じ内容)
今日は横浜美術館に行ってきた。
企画展としては、茂木健一郎・はな・角田光代・荒木経惟4人が創る「わたしの美術館」展を行っていて、横浜美術館コレクション展も行っていた。
6月の中旬ごろ、横浜美術館に行こうとして、企画展がすぐ始まることから、企画展と一緒に横浜美術館コレクション展をみたほうが、お得かなと思って、今回の訪問となった。
企画展は4人それぞれが、それぞれの視点で、横浜美術館コレクションのなかから、作品を選んで展示されていて、角田氏は絵画の中に神や光が感じられるような作品を、はな氏は可愛さやちょっとしたおかしさを感じるもの、荒木氏は複写という観点からと、浮世絵のような雑誌口絵を撮影したものなど新たな自作を、茂木氏は人間の体験が顔ににじみでるといった観点から作品を選択しているようなことがメッセージとして添えられていた。
いわゆる古典や歴史的な流れなどのような統一的な流れはないものの、独自の観点で選んでいる点で、各コーナーごとに独特のイメージのようなものは感じられたように思う。
個人的には、入り口にいきなり中上清の大きい作品が置かれていて、好きなタイプの絵なので、それを選んだ角田さんのコーナーに少し親近感を感じ、コーナーも光や神に触れようとしたような印象のものを選んだということで、なんともいえない不思議な感じを与えるような作品が多く、いい感じだった。
はなさんのコーナーは、可愛いという点での絵はあまり共感がもてなかったけど、前に薬師寺展でみた日光菩薩の写真など仏像の写真や関連した図案など、興味深かった。
荒木氏の作品は、最近写真に興味がでてきたものの、どうも、写真はなにがいいのかよくわからない。
茂木氏のコーナーは、奈良美智からはじまってセザンヌ、岸田劉生やフランシスベーコン、水槽をスクリーンにしたビデオアートなどの現代美術まで、見ごたえのある作品が抽出されていて(有名な作家だから見ごたえがあるっていうわけではないけど、やはり有名な作家はそれだけで、印象にも残りやすいし、、、)、この中では、松井冬子の「世界中の子と友達になれる」という作品が印象に残った。この作品は、藤棚のなかで左の方向に向かっている女性が花にぶつからないようにか少し身をかがめているように見え、淡い色彩感のなかで、少しさめた感じの無表情な女性が捕らえられた、淡いようなせつないような感じの印象を最初に受けたが、良く見ると足は裸足で、しかも、手の先や足の先は薄い朱色に描かれていて、血とみるには薄い色だが、なんか不気味な感じもする。さらに、腕のところには蜂のようなものが止まっていて、よくみると、画面のいろいろなところに蜂がいるのがわかり、さらに、藤の花と思っていたのは、上のほうは確かに花だが、したに行くほど花びらに蜂が重なり、下のほうの花びらと思っていたのもどうやら蜂が集まって花びらのように見えていることがわかってくる。右のほうの花の陰には乳母車があって、でも子供はいないので、子供がいなくなってそれを必死に探している様子にみえてきて、蜂のような虫からできた藤棚の不気味さもあいまって、非常に不気味な作品に見えてきて、さらにこの作品は大きい作品で、女性の大きさは等身大ともいえるような作品で、藤色の淡くてきれいな感じの印象から、一気に不気味な印象に変化して、なんともいえない作品だと思い、今回の展示のなかで強く印象に残った作品だった。
横浜美術館コレクション展は、もう十数年前にもなるが美術館の年間会員になっていて、良く実に来ていたので、以前にみた覚えのあるものも多数あったが、ダリやマグリット、エルンストなど、小学校や中学校のころに好きになって絵をみるのが好きになるきっかけとなった作家の作品や、1点だけだけど、カンディンスキーやブラックの絵などをみることができてうれしかった。

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