2008年7月26日土曜日

庭園美術館の舟越桂展

(別サイトと同じ内容)
kaikaikikiギャラリーを見たあと、舟越桂展をみるため目黒の庭園美術館まで行ってきた。
入り口に、戦争を見るスフィンクスというタイトルの木造彫刻が飾られていて、入るときは、さっととおりすぎてしまったが、中の展示室内に戦争を見るスフィンクスIIというタイトルのものも飾られていて、帰りに再度良くみると、中に展示されていたIIほどには、悲しみかなにかで顔をひずめた様子はないものの、さびしげな、額の皺をイメージさせるような額のへこみというか皺がある作品で、代表的な作品とも思えるものであった。中に入ると、最初の広間には、森に浮かぶスフィンクスというタイトルの作品が飾られ、4本の木でできた棒状のものに彫像が支えられ、もともと不思議な感じの彫像がいっそう不思議というか、なんでこんな形にしたんだろうと考えてしまう作品が置かれていて、他の部屋には、顔などのドローイングを中心に展示した部屋や、木彫とそのための秀作としてのドローイングが置いてあったり、2階にのぼったところには、風をためてというタイトルの、どこか考えにふけりながら遠くを見つめているような青年の彫像が置かれて、お風呂場にも、独特の首が長くて、すっとした感じの女性像で、肩越しから別の手が生えているようなものが展示されていたりで、庭園美術館のアールデコ調の独特の内装とあいまって、美術館全体は不思議な空間が構成されていた。
彫像は、首が2つあるものや、手が変なところから生えていたり、両性具有であったり、頭からさらに小さな人が飛び出していたり、側頭部に顔があったりと、構成自身は、この表現からなんとも不気味な感じがしてしまうが、実際には、非常に美しく素敵な作品が多い。最も、なぜ此処から手が?とか思うし、顔もどこかで見たことがあるようなないような、きれいな顔だけど、現実にもいるような顔でありながら、首はやけに長かったりで、なんとも不思議な彫像だと思う。
また、版画も展示されていて、彫像と同様に、すっとした感じや、懐かしいような、それでいて、なんともいえない静かで不思議な感じのする作品だった。
立体作品はとらえどころが良くわからなくて、これまで、あまり興味をを引く作品に会うことがなかったが、具象的な顔自身がきれいで、なんだかいい感じなこともあって、思っていた以上に満足できた展覧会だった。

舟越桂全版画1987-2002
舟越 桂
青幻舎

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