2008年7月15日火曜日

木喰展

(別サイトと同じ内容)
そごう美術館で行われている、木喰の展覧会を見てきた。
年をとってから、日本全国を廻りながら、数千体の仏像を彫ったようで、仏像の顔立ちから微笑仏と呼ばれる木喰仏を中心に書画も展示されていた。
仏像というと、薬師寺の薬師如来像や菩薩像など、穏やかなやや丸みをおびた顔立ちに、目が半眼ですっとしているもののを、多くの寺で目にすることが多いが、木喰仏は頬骨が厚いものや、微笑仏の名のとおり微笑んだような顔立ちのものが多く、これまでにあまり見たことのない仏像ばかりで、小さい物に細かく彫ったものもあったが、多くはそれなりの大きさのもので、削りあとも残っている荒削りな表現の仏像や、3面大黒天のようなキュビズムのような表現のもの(解説にもそうあってなるほどと思ってしまった。)など、菩薩や観音、天、如来など仏様を木喰の感性で図案化したような、型に縛られない仏像で、柳宗悦が見出さなければ、ただの素人が彫った仏くらいの扱いだっただろうけど、プリミティブなものにある、強さとほほえましさのような情感が感じられるもので、円空仏と対比されることもあるのも納得がいくものだった。
これまで、仏像は博物館や寺の宝物館とかで、部屋の壁に沿ってケースに入って置かれているような展示はみたことがあるが、美術館での仏像の企画展示を見たことはあまりなく、今回の展示では多くの仏像が所有者の厚意によって、ケースなしで設置されていて、壁沿いだけでなく、部屋の中にいくつも仏像が置かれている雰囲気は、微笑んだ親しみやすいような感じの仏とはいえ、なかなか荘厳な感じがした。それらの仏像は、寺や庵の立替時に見つかったりあるいは忘れ去られていたものや、子供がそりに使って削れてしまっているものから、厚く信仰されて丁寧に保存されているものなど、いろいろな扱いを受けていて、実際、その辺の寺などで転がっていれば、何か変わった仏像だなとか思いあまりじっくりみないだろうに、今回、美術館で台座の上に設置され丁寧に扱われ、一同に会していることもなんともいえない不思議な感じがした。
そごう美術館はミレニアムカードで200円引きになることを初めて知った。次回くることがあれば、ミレニアムカードを忘れないようにしようと思った。

円空と木喰 (NHK美の壺)

日本放送出版協会

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