2008年7月21日月曜日

絵をみること

(別サイトと同じ内容)
絵を見ることとか、楽しいとか嫌いとかってどういうことかと思ったりして、アート・リテラシー入門という本を読んでみた。

アート・リテラシー入門―自分の言葉でアートを語る (Practica)

フィルムアート社

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この本は表現方法や知識情報があふれ、ジャンルも多様化したアートを自分の力で読み、語るための指針やヒントを与えるもの。
アートの楽しみは、アートによって日常からの逸脱や価値観の揺さぶりが引き起こされ、日常にはない時空間を感じることにあって、鑑賞行為を受身な趣味的な行為ではなく、ひとつの直接体験としての能動的で創造的な行為として、自分の力で読み解き表現するというような主張は、私も興味のあるところ。
中身は、単に絵画や彫刻を例にした批評や読み解きだけではなく、写真や映画、音楽、ダンス、建築、文学など様々な側面を扱っている。
中心的な内容は、アートについて読み解き自分で書くための指針やヒントとしての解説で、読み解くという点では、それぞれの専門家が、感覚、あるいは、コンセプチュアルというか見方の多様性といった観点から、感じ方捕らえ方を解説や例示し、書くという点では、批評そのものや批評家の批評内容を批評し、自分の力で読み取り感じたものを表現するヒントを与えているように思う。
また、
フランスのアートリテラシーとして、フランスで定番となっているイメージ文化の入門書を元にした議論(議論というよりは、入門書の中身のイメージや概要の紹介)、
アメリカでの美術館のあり方の議論からでた、鑑賞者のための鑑賞者あっての美術館として、美術教育の重要性、美術館のありかたに関する報告、
生活領域へのアートの拡張などといったアートの周辺領域についての解説、
アートの必要性や現代アートとは?といったことのQ&A式での解説
などが書かれ、
比較的興味の薄かった分野や、言っていることが理解できない部分も多々あったが、全体としては、興味深く読めた。

印象派に続く抽象表現主義の絵画は好きなものの、絵を見てもつまらないとか、絵を見るのがだめだとかつまらないとか言う人に対して、きれいとか汚いとか、隙とか嫌いとかいろいろなことを自由に感じればいいんではないかとか言ったり思ったりしていたが、最近の現代アートがあまりにもコンセプチュアルというか、とってつけた屁理屈のように感じてしまう部分が多く、興味の薄い分野も食わず嫌い的なところが多く、絵が嫌いな人と同じ態度になっていたと自己認識したり、

アートの分野が広がり境界があいまいになっている現状や、アートの見方についてさらに考えようかという気になった。(本の中で言っていることが良くわからなくて、さらにほかの本も読んでみようかという気になったという面もあるが、、、)

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