2008年9月11日木曜日

ジョン・エヴァレット・ミレイ展にいってきた。

Bunkamuraザ・ミュージアムで10/26まで開催されている、ジョン・エヴァレット・ミレイ展をみてきた。
私の好きな分野は、抽象表現主義などの抽象画なこともあって、このようなヨーロッパの具象絵画はあまり区別ができないし、惹かれる作品もあまりないのだけど、ラファエル前派のロセッティやミレイなどの作品は、高校か大学に入ったくらいの時にみて以来、気になっている作風の画家なので、今回の展覧会のチラシを見て「オフィーリア」の絵を見るのを楽しみにしていた。
今回の展覧会は、各国を巡回するミレイの大回顧展とも言え、代表的な作品が多数展示されていて、「オフィーリア」以外にも「マリアナ」や「旦那様への手紙」など、なぜか、心惹かれるというか、気持ちが揺さぶられる作品が多かった。
それらの絵は、精密で緻密な一方で、なんとなく幻想的な雰囲気がしたり、なにか言いたそうな、心の奥底の言い知れない感情が顔にでているような不思議な感覚にとらわれる作品だと思った。
そういった「オフィーリア」などの代表作は、説明を読むと絵の中にある花や静物にも暗示するものがあったり、物語性があってその表現の点でも評価されたりするようだけど、そういう説明抜きに、惹かれる作品だと思う。
ミレイの絵は、矛盾するというか変な表現になるけど、まるで絵を見るような美しい風景や情景、といった感じの鮮やかで緻密な絵が多く、ラファエル前派として位置づけられるのは、20代の若い頃の作品なんだろうけど、晩年の風景画は初期の頃と比べると、近づいてみると葉の形など細かいところは正確な緻密さを持っていないようなのに、離れてみるとものすごく緻密に描かれているような印象をうけ、非常にいい絵だと思った。

ミレイはロセッティと比べて知名度は低いと思うし、あまり良くは知らなくて、以前(といってもかなり昔)ラファエル前派展かなにかで、代表作「オフィーリア」を見た記憶はあったけど、他はよく知らなかったけど、いくつかは見たことがあり、改めてミレイのだとわかりよかった。また、今回は晩年までの様々な作品が展示されていて、比較的大胆な描写のものもあり、作風も変化していることも知った。
今回の展覧会は見ていて心地よいというか、良い展覧会だったので、久しぶりに図録も購入した。ただ、印刷したものと本物とでは、そもそも大きさが違って受ける印象が違うし、どうも色合いが印刷のほうが必要以上に濃いい感じがしたり、タッチの印象もなんか違う感じがするのが残念。印刷技術は進んでいるんだろうけど、なんか違う。

bunkamuraザ・ミュージアムは前回のロシア・アヴァンギャルドに引き続きの来訪。ここは、ほとんどの作品に説明がかかれていて、興味がある人には親切でいい。ただ、今回は、人気があるようで割と入場者が多く、混んでいるときは、人の流れが痞えてしまって、落ち着いて見れない感じがするのが難点な気もする。

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