2008年9月28日日曜日

脳科学のテーブルを読んだ

日本神経回路学会 監修、脳科学のテーブル (学術選書 34)(2008.3発行)、を読んだ。

タイトルと裏表紙にある説明から、脳科学の過去から現在、未来について、研究をリードした重鎮と第一線の研究者が表(テーブル)にまとめるような形で整理して語るのかと思ったら、タイトルのテーブルは文字通り、机の意味で、脳科学の発展をリードしてきた二人の重鎮それぞれと、現在の一線の研究者が座卓を囲んで談笑している雰囲気を伝えているものだった。

内容は、第1部で神経生理学研究を推進してきた外山敬介氏を囲んで、脳神経科学研究の歴史と現状、今後の可能性についての対談、第2部でニューラルネットワークの理論研究をリードしてきた甘利俊一氏を囲んで、ニューラルネットワーク理論研究の歴史と現状、、将来についての対談となっている。第2部の前に、分野外の読者の理解を助けるために、専門用語や背景などについて補足した解説もつけられている。第1部は神経回路学会誌に、第2部は電子情報通信学会誌に、一部掲載されているそうです。

はじめにの所に書いてあるのだけど、対談をまとめたものなので、専門用語などが多くでてきて、特に第2部は発言の意味がわからないところも多々ある。しかし、対談が基となっていることもあるからか、比較的読みやすく、脳科学およびニューラルネットワークの発展過程における、重要な研究がどのような背景や研究者によってなされたかや、当時の状況などがリアルに伝わってきて、細かいところをきにしなければ、研究者の意気込みやなぜそのような研究をしたかなどがわかって面白かった。
これまでに読んだ本などから、ある程度重要な研究をした人の名前は知っていたが、そういった研究者がどのような研究者だったかなどもわかり、面白かったし、現在残っている問題点などについても漠然とではあるが、見えたような気がして良かった。

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