2008年9月17日水曜日

最新 宇宙学 を読んだ

最新宇宙学―研究者たちの夢と戦い (ポピュラー・サイエンス)(2004.5発行)を読んだ。

ポピュラー・サイエンスシリーズの1冊。他のを読んだことがないので、どういう位置づけのシリーズがよくわからないけど、タイトルから、一般に興味を惹きそうな話題について、新しい研究結果や現在の研究内容などを紹介する本ではないかと思い、最近宇宙や天文ものの本は読んでいなかったので、読んでみた。

内容は、太陽系と宇宙人、星とブラックホール、宇宙と銀河の3章に分かれていて、いかにも面白そうな章立て。本の挿絵や章立てから受ける印象は最新の宇宙のトピックスをわかりやすく紹介した本と思ったが、中身は結構専門的(内容そのものは式もなく一般向けにかかれているが)で、最先端のトピックすがちりばめられている。

ただ、わからない用語が説明なく出てくるところも多く、話題のなかでの解説自体が良くわからないところが多かったのが残念。
専門家の間でなにが問題となっているかを知るにはよいかもしれないが、フレアとか表面振動、あるいは、惑星形成や銀河の形成の不明なところなどについて、観測結果やモデルの妥当性の評価の話など、話がそれぞれが担当している専門的な細かいところの話になっていて、面白さという点では難があるように思った。

研究者が興味をもって、宇宙の謎を解き明かそうと、科学衛星や望遠鏡による観測データから、新たな知見や法則を得たり、導こうとしている姿勢などは感じられ、宇宙学はまだまだわからないことも多く、可視光や電波やX線などを分光器などを使っ観測手段の向上によって、最近になって、太陽系以外の遠くの星の惑星の発見が相次いでいることや、遠い星の表面の様子まで探ることができはじめていることなど、すごいことになっていると思った。

入門書や一般向けの概説本に飽き足らない人くらいを対象にしているのだと思うけど、それにしては、説明が一般向けを意識してか、かなりあいまいになってしまっていて、結局、どのようにしていろいろな仮説がでるのか、あるいは、証明されるのかが良くわからなかった。
もともと、天文普及・教育に関心ある人たちの天文教育普及研究会の会誌「天文教育」での連載をリライトして、それに数本書き下ろしを加えたものだそうで、対象が一般というより、天文や宇宙について興味を持って知識もかなりある人なら、丁度いいのかもしれない。

0 件のコメント: