2008年9月12日金曜日

目からウロコの脳科学を読んだ

脳の働きや心、意思の発生、認識などがどうなっているか引き続き興味があるので、サイエンスライターの書いた一般向けの脳科学の本で比較的新しい(2年以上たってはいるけど)、
富永裕久著「目からウロコの脳科学―心と脳はここまで分かった!」(2006.3発行)を読んだ。

中身は、最新トピックスを含めた脳科学の最先端(第1部)と、脳の仕組みを説明した基礎知識
(第2部)に分かれていて、さらに見開きページごとに話題がまとまっていて、興味に応じてどこからでも読めるようになっていて、読みやすい構成となっている。

意識については、意識的な動作もその意識に上る前から準備が始まることから、そもそも意識というものも幻想だという考えや、量子脳理論については、知らなかった話なので、興味深かった。意識の発生メカニズムとして、他にも、ニューロンの同期や多数のニューロンが構成する複雑系からの創発など、さまざまな提案がされていて、どれも、正しそうで、もう少し詳細を知りたくなった。
また、感覚も記憶に依存していることや、記憶は確定的なものでなくて変化すること、感覚も記憶も脳で作られ、そのとき、錯視などのように、適宜変更されていることなどを例を挙げてわかりやすく説明してあって面白かった。
他にも、いろいろな障害から見られる事例や実験結果の紹介、ブレイン-コンピュータインターフェースの話や、現在の脳研究の広がりなどについても紹介されていて、目からウロコっていうタイトルが、いかにも読者をひきつけようっていうタイトルで、どんなものかとも思ったけど、基本的な構成もわかりやすく説明してあって、理解できたような気になれる本だと思う。

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