2008年8月22日金曜日

東京国立博物館

木曜日に、フェルメール展を見た後、時間があったので東博に平常展示を見に行ってきた。平常展とはいっても、特集陳列のひとつに「六波羅蜜寺の仏像」があったので、見たいと思っていたので丁度よかった。

東博は、薬師寺展や対決巨匠たちの・・・展などの特別展で行ったけど、それだけで時間がかかるし、大抵混んでて疲れてしまって、企画展が行われる平成館の、それも特別展示室にしか行かずに終わってしまうけど、考古展示室もあるし、敷地内には、本館や東洋館、法隆寺宝物館などもあって、見所はたくさんある。

表慶館以外の建物は、常設展示があるので中に入れ、最初に東洋館に入った。
こちらは、東洋といっても、インド・ガンダーラの彫刻や西アジア地方からエジプトの考古美術まで展示してある。
入ってすぐのところにある、インド・ガンダーラ彫刻は、仏頭や如来像、菩薩像などもあったが、パキスタンとかアフガニスタンのほうの仏像は、顔つきが目鼻立ちがすっとしていて、西洋人っぽい顔つきで、仏像の顔もいろいろだと思った。
階段をのぼってエジプトなどの考古美術が展示されている部屋に移動すると、入った正面にミイラが、棺が開かれて状態で置かれていて、ガラスケース越しだけどミイラが見えるようになっていて、グロテスクで驚いた。他にも、エジプトや西アジア、東南アジアの考古美術品から、クメール時代やアンコール時代の金属器や彫刻、最近のものではバティック染めなどもあり、他にも、中国の考古遺物から、陶器や漆、朝鮮の彫刻など、多くの部屋に様々な物が展示されていて、広く、アジア地域の考古学的な出土品から美術品や工芸品を興味深く見た。
また、東洋館はつくりとしては3階だてのようだけど、途中に階段で少し上ると別の展示室となっていて、少しずつ上ると部屋があるような感じの立体的な部屋構成で、建物としても内部構造が変わっているように思った。

次に本館に移動したところ、「六波羅蜜寺の仏像」(これは、本館に垂れ幕とかかかっていて企画展のような目立ち方をしていた。)以外にも、「仏像の道 インドから日本へ」とか、「二体の大日如来像と運慶様の彫刻」などの特集陳列が行われていた。
東洋館をのんびりみていたら、4時過ぎになってしまったため、特集陳列を先に見ることにした。
「六波羅蜜寺の仏像」は宣伝(垂れ幕など)に乗っている地蔵菩薩立像は、私の持っている日本の仏像のイメージに相応しい、落ち着いた静かな感じでいて、居並ぶ仏像の中でも印象深いものだった。この地蔵菩薩像は左手に宝瓶ではなくて髪の毛の束を持っていて、右手も何も持たず印を結んでいるところが特徴的ならしいです。髪の毛はちょっと気持ち悪いですが、、、
他に、運慶とその息子の像もなかなか写実的で良い像だったし、運慶の地蔵菩薩坐像(これは、先日までの企画展の運慶・快慶対決で展示されていたものと同じよう)などもあった。他の特集陳列の「仏像の道 インドから日本へ」には、インドから日本へ仏教が伝わっていき、各地で造られた仏像が展示されていた。パキスタンや中国西域?の仏像があって、これは、東洋館でみた西洋人っぽい顔をした仏像で、中国の仏像にもいろろあるんだと思った。最も日本の仏像も顔つきがいろいろあるが、、、また、模造だけど、薬師寺の聖観音菩薩立像があって、薬師寺展のときみたものを思い出した。

博物館の平常展を見たのは、たしか、学生の時以来なので、もう15年以上前になるから、本館、東洋館とも入ったことがあるような気もするけど、本館は少し記憶にあるが東洋館まったく覚えがなく、さらに展示品については、見たことのあるものもあるんだろうけど、ここでみたという記憶はなく、どれも初めて見るような感じで、楽しかった。

東洋館では、考古遺物の年代などを見て、紀元前5~4千年頃の打製石器はまあ、サルのような動物状態だった人間が何かの拍子に石でものを砕いたり、動物を倒したりして、さらに割れた部分で肉を裂いたりすると便利なのを知って、そんなことをするように進化していったというのは、まあ、ありそうな感じがするけど、そういった状態から、千年程度あとの前4千年ごろには土器とかを使っていて、しかも、そこに飾りつけをしたり、持ちやすいようにとってをつけたりしているし、前3~2千年頃には、土偶や人形を作るなどの文化を持っているのがとても不思議な感じがした。今の時代、サルとかが道具を使ったりするとか、オランウータンは3歳児程度の知能を持つとかってニュースがあるけど、ああいった動物が1世代を10年として、数百世代ぐらい生まれ変わったところで、人形を作ったりするような文化まで形成するとはイメージしにくくて、そんな勢いで進化していったのが不思議。なんというか、今の人間と数千年前の人間の間にそれほどの差を感じないけど、そこからさらに数千年前とでは、人種としてというか知能レベルというか外界の認識や考える能力において大きな溝があるように思える。

都美術館のフェルメール展とは異なり、企画展をやっていないため、夏休みシーズンとはいえ平日なので、展示室は閑散としていてゆっくり見られた分、最初に東洋館からじっくりみたため、本館の半分以上と平成館と法隆寺宝物館は見る時間がなかったので、また今度行ってこようと思う。

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