2008年8月28日木曜日

エモーショナル・ドローイング、壁と大地の際で、を見てきた

近代美術館に、現代美術への視点6 エモーショナル・ドローイング展を見に行ってきた。

今日は天気も悪く、おとといから始まったばかりなのと、奈良美智といった著名な作家の作品はあるものの、現代アートの範疇の展示で、あまり一般的でないからか、ガラガラでゆっくりみることができた。他の展示もがらがらだった。

レイコイケムラの絵はぼやっとしたというか、にじみでかかれたような顔の絵や、もやもやっとした感じのものが多く、顔がへんなところにあったりだし、奈良美智のドローイングは、封筒の裏や、切れ端のようなものに書いた小品が多く展示されていたり、奈良美智の世界の家が造られていたりで、かなりまとまって作品をみることができるが、最近の絵はまだ、動きというか、なにか言いたげな子供といった感じで、独特の印象を受けるけど、初期の頃?(展示中に年号が入っていたので勝手に製作時期だと思っただけかもしれない)のものは、どうもただのいたずら書きにしかみえない。他のビデオアートやアニメーションもなんだか良くわからない。
とはいうものの、辻直之の2作品はじっくりみて、なんていうか、昔(80年代くらい)のヨーロッパのほうのアニメーションであったような感じもするアニメーションだった。

このような「きもかわいい」系のアートは、理解できないというか、あまりみていて楽しいというか感動するような、なにか引かれるものがあまりない。
けれど、最近の動向とかや、なにがいいのかが気になるので、こういったまとまった展覧会があると見に行ってしまうのだけど、、、

そんな感じで、全般的に良くわからないというか、惹きつけられるようなものや、見ていて楽しいというか見入ってしまうような作品はなかったのだけど、今回の展示の中で気に入ったのは、キム・ジュンウクの作品とアディティ・シンの作品。
キム・ジュンウクは、キモかわいい感じというかかなり不気味な人形のような女の子のようなものを描いていて、今回の展示のなかでは、具体的だったからかもしれない。
アディティ・シンの作品の、鳥が小さく描かれているものはよくわからなかったけど、白黒の花というには不思議な感じの絵が何か引かれるものを感じた。(これも今回の作品のなかでは、従来の抽象絵画っぽいからかもしれない。)



他に、「壁と大地の際で」、と題して、所蔵作品を中心とした30点ほどの展示も行っていた。
平面作品を、壁、大地、という観点から読み解くことを意図した展示。
垂直な壁と水平な大地、第3の平面としての平面美術作品、絵画は窓としての垂直な面から、地面など水平な面となったり、地面が立ち上がることで水平から垂直へ展開することや、いろいろなものを平面に移しこむことなど、平面というものを改めて考える展示だった。
佐伯祐三の作品や、白髪一雄、ジャン・デュビュッフェ、荒川修作、とかなりいろいろな作家が展示されていて、企画展よりこちらのほうが、私的には惹きつけられる絵の多かった。
デュビュッフェ「草の茂る壁際」や高橋秀「月の道」はどちらも、石切場やむき出しの地面や地層の断面のような遺跡のような感じでなんだかひきつけられ、横山操の「ウォール街」はそそり立つビルに圧倒されるような感じがして、見ごたえのある作品だった。

今回の企画展はどうも理解できなかったものの、現代アートの若手の作品を見られ、入場料も安めだったのと、時間があったので他の展示や所蔵コレクション展を見ることができたから良かった。

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